donpo9’s blog

脳卒中を体験した人の生活の楽しみ具合レポート

「がんばれナラの木」というブログのことについて

「がんばれナラの木」というブログのことについて

 

このブログを書いているのは高槻成紀さんという方です。ご自身のブログで以下のようなプロフィールをつづられておられます。

◆高槻成紀(たかつきせいき)1949年鳥取県出身。1978年東北大学大学院理学研究科修了、理学博士。東北大学助手、東京大学助教授(1994-2007)、教授(2007)、麻布大学教授(2007-2015)を歴任。現在は麻布大学いのちの博物館上席学芸員。専攻は野生動物保全生態学ニホンジカ生態学研究を長く続け、シカと植物群落の関係を解明してきた。最近では里山の動物、都市緑地の動物なども調べている、一方、スリランカアジアゾウ、モンゴルのモウコガゼル、タヒ(野生馬)、モンゴル草原の生物多様性などの研究もした。~プロフ引用

 

さてこのブログの「はじめ」の文章を紹介します。引用が続いて恐縮です。

◆クマ研究者仲間のメーリングリストにアメリカのダイアナ・ドーンクライダー*(Diana Doan-Crider)さんという人が『The Oak Tree』**(ナラの木)という詩を送ってくださいました。私はそれを読んで感銘を受けました。仙台で20代から40代までを過ごした私にとって、東北地方は特別の存在です。その東北地方の人が想像を絶する被害に会っておられることを知り、心おだやかではいられませんでした。なんとか力になりたいと思っても、私たちには募金くらいしかできず、もどかしさと心苦しさが続いていました。そんな時に出会った詩でしたから、もしこの詩を被災者の皆さんに聞いてもらったら、少しでも元気になってもらえるのではないかと思いました。訳しながらこみあげるものがありました。その拙訳をメーリングリストに送ったら、思いがけないことに、庄内ことばに訳したものが送られて来ました。

 私はそれをゆっくり声を出して読んでみました。すると実に心に響いてきました。それで思いつきました。この詩の魂を表現するには東北のことばのほうがいいのではないかと。それで、地方訳を送っていただくようお願いをしました*。そうしたらさまざまな地方から、ぽつり、ぽつりと届き始めました。そのひとつひとつが暖かく、やさしく、力強く、私は東北のことばのもつ表現力の豊かさに目をみはりました。そこで、それらのたくさんの「ナラの木」をこのブログで紹介することにし、関連する情報や写真なども添えました。こうして「ナラの木」の輪がじわじわと広がり、いまや東北地方以外からも地方訳が届いています。「ナラの木」は私の手を離れたかのように、ひとりで歩き出しました。

 

 この詩は不思議な力をもっているように思います。その魂を伝える自分の言葉による「ナラの木」が被害に遭われた皆さんのもとに届き、少しでも勇気づけることができることを祈っています。

 

 

 

私はあの東日本大震災(2011/3/11)の半年・あるいは1年くらい後だったでしょうか、たまたま深夜のラジオ番組で岩手弁に翻訳したバージョンを聴き大いに魂を揺さぶられました。私の被災地支援の活動がヒートアップしました。

今年の夏も「保養ネットよこはま」の第8回伊豆河津古民家キャンプが7/26~8/2の日程で行われ、私は6回目のボランティア参加をします。

 

 

ナラの木 (高槻成紀 たかつきせいき 訳)

 

たいそう強い風が吹きました  昼となく夜となく

ナラの木のすべての葉っぱを吹き飛ばし

枝をびゅんびゅんと揺らし

木の皮も引きはがすほどでした

 

ついにナラの木は丸はだかになってしまいました

それでも地面にしっかり立っていました

ほかの木はみんな倒れてしまいました

 

くたびれてしまった風は

あきらめて言いました

「ナラの木よ、どうしてまだ立っていられるのだい?」

 

ナラの木は言いました

「あなたは私の枝を折ることも

すべての葉っぱを吹き飛ばすことも

枝を揺らすことも

私をゆさゆさと揺することもできます

 

でも私には大地に広がる

根っこがあります

私が生まれたときから

少しずつ強くなりました

あなたはこの根っこには決してさわれません

 

わかるでしょう

根っこは私のいちばん深い部分なのです

 

実は今日まで

私はよくわかっていませんでした

自分自身がどれだけものごとに耐えられるかを

でも、今おかげでわかりました

自分が知っていたよりも

私はもっと強くなったのです」

Johnny Ray Ryder Jr.原作, Copyright Hallmark Inc.