富弘美術館に行ってきました (その3)
富弘美術館に行ってきました (その3)
「確か花菖蒲だかアヤメだかの絵で、…泥水を飲んでるのにきれいな花を咲かせているといったような短文が添えてあった作品なんですが・・・」
居合わせた美術館の職員に尋ねてみました。
残念なことに今回はその原画を見ることはできませんでした。
けれども書籍販売コーナーで掲載されている本を見つけることができました。
その文章は
黒い土に根を張り
どぶ水を吸って
なぜ きれいに咲けるのだろう
私は大勢の人の愛の中にいて
なぜ みにくいことばかり
考えるのだろう
というものでした。絵のほうは描くようになってまだ数年の頃の作品でした。
ですから熟達する以前の画風で、近年の作品のような緻密な描写の構成ではありませんでした。
私にとっては意外でした。
私はかつてこの作品のどこに印象深いものを感じて記憶に留めていたんだろうかと自問自答しました。
この作品に関しては絵からくるインパクトの記憶ではなく、添えられていた短文に感動していたのです。
星野さんがこの事実に出会い、気づき、心揺さぶられている発見に共感していたのです。
今回のこの体験はさらに自分に新たな気付きを与えてくれました。
そしてこの先の自分の方向性を啓示してくれました。
自分は何をもって自己表現をしたいのかが見えました。星野富弘さんありがとう。