donpo9’s blog

脳卒中を体験した人の生活の楽しみ具合レポート

ばぶさんの 「うさぎくんとかめくん」 (第4稿)

ばぶさんの『うさぎくんとかめくん』   (第4稿)   作・曵田原宏

 

よく晴れた青い空に白い雲がぽっかりと浮かんでいます。 

うさぎくんがはらっぱに寝転んで空を見上げています。

すると誰かの声が聞こえてきました。

「うんとしょ、よいとしょ、うんとしょ、よいとしょ」

見るとそれは頭にハチマキをまいたかめくんでした。

ハチマキには『がんばれマラソン大会』と書いてあります。

「うんとしょ、よいとしょ、うんとしょ、よいとしょ」

「おーい、かめくん。なにやってんだい?」

「うんとしょ、よいとしょ、うんとしょ、よいとしょ」

「おーい、かめくんったら。なにをやってんだい?」

「うんとしょ、よいとしょ、うんとしょ、よいとしょ

やあ、うさぎくん。みればわかるでしょ。

かけっこのれんしゅうさ」

「え~~っ『かけっこのれんしゅう』だって?」

「うん、そうだよ。

うんとしょ、よいとしょ」

「はっはっはっは。それでもかけているつもりかい?」

かめくんの足が遅いのを、うさぎくんはバカにして歌いました。

「♪ もしもしかめよかめさんよ せかいのうっちで おまえっほどぉー 

あゆみののろいものはない どうしってそんなにのろいぃーのかぁ♪」

かめくんは歌で言い返しました。

「♪ なんと おっしゃるうさぎさん そんならおまえと かけくらべ

むこうのおやまのふもとまで どちらがさきにかけつくか♪」

「うさぎくんの足が早くても、わたしの方が勝ちますよ」

「そんな事を言ったって、口先だけだ。

では、競争しよう? そうすれば、わかるさ」

ちょうどその時こぶたくんが自転車をこいでやって来ました。

チリンチリン

自転車の前かごにはサツマイモがいっぱい入っていました。

「やあ、かめくんとうさぎくん」

「やあ、こぶたくん。ちょどいいところにきたね。きみ、いまひまかい?」

「なにかようかい?」

「これからぼくとうさぎくんがかけっこするから『よーい、どん』っていってくれる?」

「いいけど、どこがゴールだい?」

「そりゃあ、やっぱり『むこうのお山のふもと』でしょ」

「むこうのおやまのふもとかぁ。 あっ。 ちょうどいいぞ」

「なにがちょうどいいんだい?」

「いまね、たぬきくんとね、きつねくんとね、ねこくんがね、

むこうのおやまのふもとでね 『やきいもたいかい』するじゅんびを

しているんだよ。ぼく、でんわしてみるね。」

    ぴっぽっぴっぽっぱっぽっぷ ぷるるるる ぷるるるる

「ぴっ、もしもし、ぼくたぬきです」

「もしもしぼくこぶた。 たぬきくんじゅんびはどうだい?」

「やあ、こぶたくん。あとはおいもがとどいたらおっけーだよ」

「あのね、いまからうさぎくんとかめくんがかけっこしていくから

   ゴールつくっておいてくれるかい?」

「うん、わかった。じゃあね、ぴっ」

こぶたくんは棒っきれで地面にスタートラインを描きました。

「うさぎくんかめくん。よういはいいかい?いちについてぇ」

『よ~い、どん』

うさぎくんとかめくんは走り出しました。

「チリリン、ぼく先にいって待っているよ。二人ともがんばってねぇ。」

ピョンピョンのピョン うんとしょ、よいとしょ

ピョンピョンのピョン うんとしょ、よいとしょ

ピョンピョンのピョン うんとしょ、よいとゴロリン

ピョンピョンの・・・  「うーん うーん うーん」

「…あれ~」

うさぎくんが振り返ると逆さまにひっくり返ったかめくんが

起きあがれずにもがいています。

「あらら、かめくん ぴょんぴょんのぴよよよよ~ん」

うさぎくんはかめくんを助け起こしました。

「ありがとう」

「こんどはころばないではしってよ。」

うさぎくんはかめくんのこうらをポンとひとつたたいてまた走り出しました。

ピョンピョンのピョン うんとしょ、よいとしょ

ピョンピョンのピョン うんとしょ、よいとしょ

ピョンピョンのピョン ピョンピョンのピョン

よく晴れた青い空には白い雲がぽっかり、 ピョンピョンのピョン 

…いい天気です。ピョンピョンのピョ~~~ン

大きな木がありました。そよ風そよそよ、木陰は涼しそう。

「ちょっときゅうけい。ひ・と・や・す・みっと」

なんてったって寝つきのいいうさぎくんです。

いち・にい・さん・すやすやすや。なんと3秒で寝入ってしまいました。

うんとしょ、よいとしょ うんとしょ、よいとしょ

うんとしょ、よいとしょ うんとしょ、よいとしょ

うんとしょ、よいとしょ 

「うんと・・・あれっ。うさぎくんだ。うさぎくん。

こんなところでねていたらかぜひきますよ。うさぎくん」

「むにゃむにゃむにゃ」

「うさぎくん。」

かめくんはうさぎくんを起そうとしましたがすっかり眠りこけています。

かめくんはハチマキを外すと

「かぜひかないでよ」とお布団の代わりに鉢巻をかけてやりました。

うんとしょ、よいとしょ うんとしょ、よいとしょ

うんとしょ、よいとしょ うんとしょ、よいとしょ

しばらくたって

「あっ、しまったねすごした。あぁーあ」

うさぎくんは大きくのびをするとそのままゴールに向かいました。

ピョンピョンのピョン ピョンピョンのピョン

「よーし、もうすぐゴールだ…と、あれれれれ?」 

自分が勝ったと思っていたのに、何とかめくんが先にゴールしていました。

ぱちぱちぱちぱち ぱちぱちぱちぱち

「うさぎくん、にちゃ~く。」

コブタくん、タヌキくん、きつねくん、ねこちゃんそしてかめくんが

大きな拍手でぱちぱちぱちぱちぱちとうさぎくんを迎えました。

ちょうどその時焼き芋がおいしく焼きあがりました。

そしてみんなで焼き芋を食べました。       お・し・まい  

 

 

※人形劇やペープサートへの脚本転用も含めて稿を改めました。