新編『ぐるりんりん』より⑦~おおなわとび~(第4稿)
新編『ぐるりんりん』より⑦~おおなわとび~(第4稿)
作・曵田原 宏
※年少組向けの8つの短いお話です。
どのお話から読み始めても次のお話につづきます。
だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。
1 おむすび (第3稿)
2 おむすび屋さん (第4稿)
3 くまの家族のおふろ (第4稿)
4 わにの背中で (第4稿)
5 わに泳ぎ (第3稿)
6 でんしゃごっこ (第2稿)
7 おおなわとび (第4稿)
8 青い帽子 (第2稿)
今回は7/8 第7話 おおなわとび (第4稿)
黒猫のミャーとうさぎのピョンは
「おひるごはんをたべおわったらまたいっしょにあそぼうね」
と約束しようとしました。
ところがうさぎのピョンのお家ではお昼御飯のあと
みんなして草摘みに出かける予定になっていました。
「ごめんね。だからみゃーくんと遊べなくなっちゃったの」
「ざんねんだけどしょうがないね。ぴょんちゃんまたあしたね」
「うん、そうしましょ。ばいばい」
「ばいばーい」
と手を振って、黒猫のミャーがぼんやりしているとそこへ来たのはリスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と子犬のケンちゃんです。
「みんなでなんかしてあそぼうか」
「そうだこのロープをほどいておおなわとびしよう。」
と、子犬のケンちゃんが言いました。
ロープを回す人とロープを飛ぶ人と誰がどれになるか
じゃんけんで決めました。
リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と子犬のケンちゃんが
ロープを回す人になりました。
最初に黒猫のミャーくんが跳びます。
ミャーは、まるでバレエダンサーみたいに踊るように
跳ねるようにとびました。
しかも、フィギュアスケートの選手みたいに跳びながら
三回転くるくる回ったり手足を伸ばしたり曲げたり。
♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ
いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、
ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、
ありがとう ♪
ミャーが跳び終わると、リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と
子犬のケンちゃんはぱちぱちぱちと沢山拍手しました。
その次はリスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟が跳びました。
♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ
いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、
ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、
ありがとう ♪
リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟はとってもかろやかに
ピョンピョン跳びました。おしまいは子犬のケンちゃんの番です。
♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ
いちまーい、にーまい、さんまい、・・・
いちまーい、にーまい、さんまい、・・・いちまーい、にっ ♪
「ちょっとけんちゃん、なんかうたがへんだよ。」
「そうだよ。かぞえかたがちがうよ」
「たくさんとびたいからズルしてんじゃないの」
「だってさぁ・・・だってぼく」
ケンちゃんは寂しそうに下を向いてしょぼんとしています。
「だってなんなのさ?」
「ぼく、いち・に・さん までしかかぞえられないんだもん」
「それなら、みんなでうたってあげるから、だいじょうぶさ」
「ありがとう。」
ケンちゃんは顔を上げました。
みんなの目を見てとても嬉しそうににっこりしました。
こうしてケンちゃんも最後まで上手に跳べました。
しかもケンちゃんは十までの数の数え方もすっかり覚えました。
みんなは大縄跳びをおしまいにするとさよならしました。
ケンちゃんたら嬉しくってうれしくってゆうびんやさんの歌を
大きな声で歌いながらお家に帰っていきました。
♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ
いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、
ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、
ありがとう ♪
そのうたをすべりだいのうえであおい帽子が聴いていました。
~お・し・まい~