donpo9’s blog

脳卒中を体験した人の生活の楽しみ具合レポート

循環童話ぐるりんりん誕生噺

循環童話ぐるりんりん誕生噺

 

 

昨日今日明日と続いている毎日です。

それこそずぅ~っとたどれば13,000年続いた縄文時代

そのまた前の前にまで連なる日々の人の営みです。

今という時がその連なりの中で成り立っていることを

童話の中に託してみたいとかねがね思っていました。

「循環童話」の試みです。

 

ある日、山手線に乗っていて「あっこれだ!」と閃きました。

循環している童話って書けないものかと取り組んでみました。

山手線には外回り線と内回り線があります。

今回の循環童話の「ぐるりんりん」が仮に外回り線だとして、

次回は内回り線みたいなものを書いてみたいと思っている今日この頃です。

完成まで暇がかかるでしょうが、いつかかなえてみたい夢の一つになっています。

新編『ぐるりんりん』より⑧~青い帽子~(第2稿)

新編『ぐるりんりん』より⑧~青い帽子~(第2稿) 

                 作・曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は8/8 第⑧話  青い帽子  (第2稿)

 

 

青い帽子がありました。 

すべりだいのてっぺんにちょこんとありました。  

誰かが脱いで置き忘れたのでしょうか?

それとも落とし物に気が付かないで

置いてきぼりにされたのでしょうか?

黒猫のミャーとうさぎのぴょんがやって来ました。

「あれ、こんなところにあおいぼうし」

「まあ、きれいなあおいろ」

「ねえ、ぼうしくん、どうしてこんなところにいたの?」

帽子は返事をしません。ちょっぴり寂しそうにうつむいています。

「きっとだれかのわすれものだよ」

「それとも、もしかしたらかぶっていたひとが

おっことしたのにきがつかないでおいてきぼりになったのかも」

「それとも、どこかからにげだしてきたのかも」

「おおかぜがふいて、ぴゅーってとばされちゃったのかも」

「それとも、どろぼうがよなかにやってきてぬすんできたのかも」

「それとも、おばけが・・・」

帽子はなんにも言いません。小さな溜息を一つしただけです。

「ぼうしのひといまごろどうしているだろう」

「どっかいっちゃったよーってないているかな」

「あちこちいっしょうけんめいさがしているかも」

「こうえんのベンチのとことかすなばとかブランコのとことか」

帽子はやっぱり黙っています。

「そうだ、ぼうしのもちぬしをさがしにいこう。」

ミャーは青い帽子をちょこんと頭にかぶると歩き出しました。

「どうだい、ぼくににあうかい?」

「なんかかっこいね」

帽子はちょっとすまし顔。

「こんどはあたしにもかぶらせて」

「はいどうぞ」

ウサギのぴょんがちょこんと頭にかぶりました。

帽子はなんだかちょっぴり楽しそう。

「え~、ぼうし~。ぼうしをおとしたひといませんかぁ~」

「あおいすてきなぼうしです。

すべりだいのうえにありましたぁ~」

「ぼうし~。ぼうし~。ぼうしのおとしもので~す」

「ぼうし~。ぼうし~。ぼうしのおとしもので~す」 

公園の向こうの方から誰かが来ました。

青い半ズボンと青い靴を履いたミギー坊やです。

あたりをきょろきょろして何かを探しながら歩いています。

「ぼうし~。ぼうし~。ぼうしのおとしもので~す」 

「ぼうし~。ぼうし~。ぼうしのおとしもので~す」

黒猫のミャーとうさぎのぴょんの声が聞こえたのでしょう。

息を弾ませ まっすぐにこっちに走ってきました。

「あ、それぼくのぼうしだ。」

「はいどうぞ」

「みつけてくれてありがとう」

「ぼうしさん、よかったね」

ミギー坊やは帽子をキュッとかぶりました。

帽子はとっても嬉しそうににっこりました。 

 

                  ~お・し・まい~  

新編『ぐるりんりん』より⑦~おおなわとび~(第4稿)

新編『ぐるりんりん』より⑦~おおなわとび~(第4稿) 

作・曵田原 宏

 

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は7/8 第7話  おおなわとび  (第4稿)

 

 

黒猫のミャーとうさぎのピョンは

「おひるごはんをたべおわったらまたいっしょにあそぼうね」  

と約束しようとしました。

ところがうさぎのピョンのお家ではお昼御飯のあと

みんなして草摘みに出かける予定になっていました。

「ごめんね。だからみゃーくんと遊べなくなっちゃったの」 

「ざんねんだけどしょうがないね。ぴょんちゃんまたあしたね」

「うん、そうしましょ。ばいばい」

「ばいばーい」

と手を振って、黒猫のミャーがぼんやりしているとそこへ来たのはリスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と子犬のケンちゃんです。 

「みんなでなんかしてあそぼうか」

「そうだこのロープをほどいておおなわとびしよう。」

と、子犬のケンちゃんが言いました。

ロープを回す人とロープを飛ぶ人と誰がどれになるか

じゃんけんで決めました。

リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と子犬のケンちゃんが

ロープを回す人になりました。

 

最初に黒猫のミャーくんが跳びます。

ミャーは、まるでバレエダンサーみたいに踊るように

跳ねるようにとびました。

しかも、フィギュアスケートの選手みたいに跳びながら

三回転くるくる回ったり手足を伸ばしたり曲げたり。

♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ

  いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、

  ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、

  ありがとう ♪

ミャーが跳び終わると、リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟と

子犬のケンちゃんはぱちぱちぱちと沢山拍手しました。

その次はリスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟が跳びました。

♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ

  いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、

  ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、

  ありがとう ♪

リスのチャラ、チュラ、チョロの三兄弟はとってもかろやかに

ピョンピョン跳びました。おしまいは子犬のケンちゃんの番です。

♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ

  いちまーい、にーまい、さんまい、・・・

いちまーい、にーまい、さんまい、・・・いちまーい、にっ ♪

「ちょっとけんちゃん、なんかうたがへんだよ。」

「そうだよ。かぞえかたがちがうよ」

「たくさんとびたいからズルしてんじゃないの」

「だってさぁ・・・だってぼく」

ケンちゃんは寂しそうに下を向いてしょぼんとしています。

「だってなんなのさ?」

「ぼく、いち・に・さん までしかかぞえられないんだもん」

「それなら、みんなでうたってあげるから、だいじょうぶさ」

「ありがとう。」

ケンちゃんは顔を上げました。

みんなの目を見てとても嬉しそうににっこりしました。

こうしてケンちゃんも最後まで上手に跳べました。

しかもケンちゃんは十までの数の数え方もすっかり覚えました。

みんなは大縄跳びをおしまいにするとさよならしました。

ケンちゃんたら嬉しくってうれしくってゆうびんやさんの歌を

大きな声で歌いながらお家に帰っていきました。

♪ ゆうびんやさん、おとしもの、ひろってあげましょ

  いちまーい、にーまい、さんまい、よんまい、ごまいー、

  ろくまい、ななまい・はちまい・きゅーまい・じゅーまい、

  ありがとう ♪                    

そのうたをすべりだいのうえであおい帽子が聴いていました。

~お・し・まい~

新編『ぐるりんりん』より⑥~でんしゃごっこ~(第2稿)

新編『ぐるりんりん』より⑥~でんしゃごっこ~(第2稿) 

作・曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は6/8 第6話  でんしゃごっこ  (第2稿)

 

 

わにのワニイから泳ぎ方を教えてもらった黒猫のミャーと

白ウサギのピョン。

川の中をどこからどこまでも『わに泳ぎ』ですーいすーいと

思いのままに泳ぎまくりました。

たっぷりと川遊びを愉しんだのですっかりお腹がすきました。

それぞれお家に帰ってお昼ご飯を食べることにしました。

「ワニイ、ありがとう。またいっしょにかわあそびしようね。ばぁい」

 お家に帰る途中の道で

「あ、いいものみーつけた。すてきなものつくっちゃおう。」

「ピョンちゃん?なわとびロープの長いのみたいなひもだね。」

「ほら、こうしてはじっことはじっこをむすぶでしょ・・・。

そうするとぉ・・・」

「わかった。でんしゃだ」

「ピンポーン、そのとおり。

おうちまででんしゃごっこしてかえりましょう」

さっそく電車に乗り込むと二人は声をそろえて言いました。

「おうちにむかって、でんしゃ、しゅっぱーつ。

がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん」

「がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん」

ところが電車はちっとも前に向かって進みません。

「がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん

がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん」

「ミャーくん。ちゃんとひっぱっている?」

「ひっぱってるさ。ピョンちゃんこそちゃんとひっぱっているかい?」

「ひっぱっているわよ。 がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん

がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん

ミャーくんもっとちからだしてよ。 う~~ん、う~~ん。」

ピョンちゃんが力を出すと

ミャーくんの足がずるずるっと後ろに滑りました。

「れれれぇ。よおおーし。がんばるぞぉ。

がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん

がたんがたぁ~~ん、がたんがたぁ~~ん。

むんむんむんむんむううん。」

ミャーくんがもっと力を出すと、

こんどはピョンちゃんの足の裏がずるずるっと後ろに滑りました。

「がたんがたぁ~ん、がたんがたぁ~~ん・・・う~~んう~~ん」

「がたんがたぁ~ん、がたんがたぁ~~ん・・・むんむんむ~~ん」

電車はちょっと前に進んだかと思うとずるずる。

またちょっと前に進んだかと思うとずるずる。

「ぜは、ぜはぁ、このでんしゃ・・・、なんかへんよ。」

「あへ、あへぇ、ちょっと…しらべてみよう。」

ミャーとピョンちゃんは自分の後ろをちらっと振り向きました。

その途端、ごっつ~~ん。 

「あいたたたった」

二人ともおでこをさすりながら 

「ごめんごめん」

「あれぇ、ピョンちゃんもしかうんてんしゅ?」

「そうよ、ミャーくんはなあに?」

「もちろんぼくはうんてんしゅ」

「あはははは。ふたりしてうんてんしゅだったから

ちっともうごかなかったんだ」

「じゃんけんでうんてんしゅをきめよう。

とちゅうでこうたいしながらいこうよ」

「うん、そうしよう。」

「じゃん・けん・ぽん!

あいこでしょあいこでしょ。」

ふたりの仲良し電車はお家に向かってしゅっぱーつ・進行。

今日のお昼ご飯は何でしょうね?       

                  ~お・し・まい~ 

新編『ぐるりんりん』より⑤~わに泳ぎ~(第3稿)

新編『ぐるりんりん』より⑤~わに泳ぎ~(第3稿) 作・曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は5/8 第5話  わに泳ぎ  (第3稿)

 

 

ある日ワニのワニイが気持ちよさそうに川を泳いでいました。  

ワニイは自分でもうっとりするほど泳ぐのが上手でした。

あんまりうっとりして眠くなり、居眠りしたまま泳ぎました。

居眠りしていても上手に泳げるのです。

ごっつん。

ワニは誰かのボートにぶつかりました。

「いててて」とめをあけると

ぐらぐら揺れているボートには

黒猫のミャーと白ウサギのピョンが乗っていました。

「あぶないじゃないかワニイ」

「こわいじゃないのワニイ」

「いやあぁ、ごめんごめん」

「こんどからきをつけてよ」

ワニイは後ろ脚だけで立ち泳ぎをして

頭の先から胸まで水の上にのりだして

「はい、きをつけます。ごめんなさい。」

ぺこりとおじぎしました。

ミャーとピョンはまたボートを漕ぎだしました。

ワニイはボートと並んで泳ぎながら

「なかなか上手にボートがこげるじゃないか」

「だっていっぱいれんしゅうしたんだもの」

「だからこんなにじょうずになったんだよ」        

「なるほど。それじゃあこんどは川の水の中にはいって

およいでみないかい? きもちいいぜ」

「だってあたしたち・・・ねぇ~。」

「そうだよぼくたち・・・なぁ~。」

「だってってどうなのさ?」

「だぁ~って。」

「だぁ~って、なんなのさ?」

「およげないんだもの」

「わっはっはっはっはぁはあ」

ワニイは大きな口をあけて大笑いしました。

「よっしゃぁ。おいらがおよぎかたをおしえてやるよ」

ワニイはボートを川岸に押し上げるといいました。

「おいらのまねっこでっきるっかな?

まずは、ワニワニたいそうーっ。はじめ!

わにわにさんしぃ、わにわにさんしぃ…」

みゃーとぴょんはワニイのまねをしました。

ワニイは川原の砂の上に腹ばいになると

せなかを くねくね おしりを ふりふり

あしを もにょもにょ かきかき しました。

ミャーとピョンはワニイのまねそっくりに体を動かしました。

「はーい、そのまま、そのままぁ。

すなのうえをもぞもぞもぞぉお。

かわのなかにちゃぽん。すーいすーいすーい」

みゃーとぴょんはワニイとおんなじように砂の上をもぞもぞ、

川の中へちゃぽんとはいりました。

するとどうでしょう。あらあらふしぎ、まぁふしぎ。

みゃーもぴょんもすーいすーいすーい。

実に見事なワニ泳ぎです。

さんびきは川の中をあっちへす―いす―い

こっちへすーいすーいと泳いで遊びました。   

 ~お・し・まい~ 

新編『ぐるりんりん』より④~わにの背中で~(第4稿)

新編『ぐるりんりん』より④~わにの背中で~(第4稿) 作・曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は4/8 第4話  わにの背中で (第4稿)  

 

熊の家族が大笑いをしたので、

河原でひなたぼっこをしていたネボスケわにが目を覚ましました。

そして、大きなあくびをひとつしました。

「ふぁ~~~~あああ」

「あら、わにさん。おくばのところに何かはさまっていますよ」

「そうなんだ。これがとれなくてもう一週間も前から痛いんだ」

「どれどれ、わたしが取ってあげよう」

熊のお父さんが自慢の長い爪でさっさっさっととりました。

それはお魚の骨でした。

「くまさんありがとう。すっかり痛みがなくなった。」

「どういたしまして。

・・・わにさんちょっとお願いがあるんですがなぁ、

あなたの背中を貸してくれますか?」

「どうかしましたか?」

「ちょっと背中がかゆくてねぇ、

あなたの背中のいぼいぼでこすらせてください」

「おやすいごようだ。さあどうぞ」

熊のお父さんはわにの背中にごろりと寝転がりました。

「おもたくないですか?」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

「それでは、ちょいとうごきますよ」

熊のお父さんは背中をもぞもぞうごかしました。

「いやあ、きもちぃ~い。 きもちぃ~~い。

わにさんの背中のいぼいぼですっかり痒みがとれました。

ありがとう。」

熊のお父さんが起き上がると、

なんと、わにさんの背中はピカピカに光っていました。

なぜかというと熊さんの毛皮で背中のいぼいぼが

すみからすみまですっかり磨きあげられていたからです。 

わにさんは自分の背中をちらりと水鏡に映すと、

「うっひょっ ひょっ ひょっ ひょひょう~。まるで新品だね。

私の背中もなかなかステキなもんだ。

今日からこの背中をもっと大事にしよう」

わには背中を右にひねったり左にひねったりして

何度も水鏡を覗き込みました。

しばらくうっとり見とれていましたが、

うんうんとうなずくと言いました。

「やあ、こちらこそありがとう。

おれいに子どもたちに水の中を案内してあげよう。

さあ、私の背中にお乗りなさいな。」

「わーい、わーい うれしいな」

熊のお兄ちゃんとお姉ちゃんと、ぼうやの三匹は

わにさんの背中に乗りました。

「さあ、私の背中のいぼいぼにしっかりつかまって 

落っこちないようにね」

わにさんは水の浅い処から深いところまで

あっちもこっちも連れてってくれました。

ゆっくり泳いだり、超スピードで泳いだり、

楽しく愉快に泳ぎまくってくれました。

やがて夕方になりカラスが「かあかあ」と鳴きました。

そこで、熊の家族はお家に帰ることにしました。

「ばいばいわにさん」

「さよならくまさん」    

~お・し・まい~ =

新編『ぐるりんりん』より③~熊の家族のお風呂~

新編『ぐるりんりん』より ③~くまの家族のおふろ~ (第4稿)  

                         作・ 曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は3/8 第3話  くまの家族のおふろ (第4稿)  

 

 

くまの家族が温泉旅行にやってきました。

山道を登って、ブナの林のトンネルを抜けて

小さな坂を下って登ってまた登って見晴らし峠に出ました。

「ちょっとひとやすみしよう」

爽やかな風も山道を登って来て熊の家族の間を

そよそよそよと吹き抜けていきます。

天気も良くて、遠くの遠くまでよく見えます。

「うわぁ~~いいながめ」

胸いっぱいにおいしい空気を吸うとまた出発です。

山道を下って、笹薮を抜けて

坂を登って下って ずぅ~っと下って谷までいくと沢の水の音が

「さあ、さわ、さあ、さわ、こっちですよ。」と聞こえてきました。

一本橋を渡って河原に着くとごろごろ大岩小岩の間に

おめあての温泉がありました。

「さあ、おふろにはいるぞ」

最初に来たのは くまのお父さん。

「あっついかな、ぬるいっかな」

くまのお父さんは うしろあしで お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもない。ちょうどいいゆかげんだ」

 

つぎにやってきたのは くまのお母さん。

「あついかしら、ぬるいかしら」

くまのお母さんは まえあしで お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもないわ。ちょうどいいゆかげんね」

 

つぎにやってきたのはくまのお兄ちゃん。

「あっついっかな、ぬるいっかな」

頭のいいお兄ちゃんは 頭で お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

かきまぜすぎてちょっと目が回りましたが

「あつくもないし、ぬるくもない。ぼくにぴったりだ」

 

そのつぎにやってきたのはくまのお姉ちゃん。

「あっついっかな、ぬるいっかな」

おしゃれなお姉ちゃんはくるりとうしろをむくと

みじかいしっぽのさきで ちゃぷちゃぷお湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもない。あたしにぴったり」

 

つぎにやってきたのはくまのぼうや。

「あっついか ぬるいっか どぉ~っちだ?」

というのと同時にお湯に飛び込んで

ばちゃばちゃばちゃ ばちゃばちゃばちゃっと おおあばれ。

お湯のしぶきが 

おとうさんにも おかあさんにも

おにいちゃんにも おねえちゃんにも 

かかりました。

みんなで「わっはっはっ」と大笑いしました。

                     ~お・し・まい~