donpo9’s blog

脳卒中を体験した人の生活の楽しみ具合レポート

新編『ぐるりんりん』より③~熊の家族のお風呂~

新編『ぐるりんりん』より ③~くまの家族のおふろ~ (第4稿)  

                         作・ 曵田原 宏

 

 

※年少組向けの8つの短いお話です。

どのお話から読み始めても次のお話につづきます。

だからこのお話は8つまるごとで『ぐるりんりん』という循環童話です。

 

1 おむすび        (第3稿)              

2 おむすび屋さん     (第4稿)              

3 くまの家族のおふろ   (第4稿)          

4 わにの背中で      (第4稿)              

5 わに泳ぎ        (第3稿)              

6 でんしゃごっこ     (第2稿)              

7 おおなわとび      (第4稿)             

8 青い帽子        (第2稿)             

 

 

今回は3/8 第3話  くまの家族のおふろ (第4稿)  

 

 

くまの家族が温泉旅行にやってきました。

山道を登って、ブナの林のトンネルを抜けて

小さな坂を下って登ってまた登って見晴らし峠に出ました。

「ちょっとひとやすみしよう」

爽やかな風も山道を登って来て熊の家族の間を

そよそよそよと吹き抜けていきます。

天気も良くて、遠くの遠くまでよく見えます。

「うわぁ~~いいながめ」

胸いっぱいにおいしい空気を吸うとまた出発です。

山道を下って、笹薮を抜けて

坂を登って下って ずぅ~っと下って谷までいくと沢の水の音が

「さあ、さわ、さあ、さわ、こっちですよ。」と聞こえてきました。

一本橋を渡って河原に着くとごろごろ大岩小岩の間に

おめあての温泉がありました。

「さあ、おふろにはいるぞ」

最初に来たのは くまのお父さん。

「あっついかな、ぬるいっかな」

くまのお父さんは うしろあしで お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもない。ちょうどいいゆかげんだ」

 

つぎにやってきたのは くまのお母さん。

「あついかしら、ぬるいかしら」

くまのお母さんは まえあしで お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもないわ。ちょうどいいゆかげんね」

 

つぎにやってきたのはくまのお兄ちゃん。

「あっついっかな、ぬるいっかな」

頭のいいお兄ちゃんは 頭で お湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

かきまぜすぎてちょっと目が回りましたが

「あつくもないし、ぬるくもない。ぼくにぴったりだ」

 

そのつぎにやってきたのはくまのお姉ちゃん。

「あっついっかな、ぬるいっかな」

おしゃれなお姉ちゃんはくるりとうしろをむくと

みじかいしっぽのさきで ちゃぷちゃぷお湯をかきまぜました。

ぐるぐるぐる ぐるぐるぐる

「あつくもないし、ぬるくもない。あたしにぴったり」

 

つぎにやってきたのはくまのぼうや。

「あっついか ぬるいっか どぉ~っちだ?」

というのと同時にお湯に飛び込んで

ばちゃばちゃばちゃ ばちゃばちゃばちゃっと おおあばれ。

お湯のしぶきが 

おとうさんにも おかあさんにも

おにいちゃんにも おねえちゃんにも 

かかりました。

みんなで「わっはっはっ」と大笑いしました。

                     ~お・し・まい~