donpo9’s blog

脳卒中を体験した人の生活の楽しみ具合レポート

考・さるかに合戦…柿の実…そして干し柿

考・さるかに合戦…柿の実…そして干し柿

 

 

 

デイサービスセンターで週に一度、「朗読タイム」を担当しています。

お年寄り為の朗読ということで、最近は日本の昔話をもっぱら選んで語っています。

『聴き手の側』にすると、あんまり長いお話よりも短めで解り易いお話が好まれます。

そのためどうしてもかいつまんだあらすじのようなお話の朗読になります。

それでもある程度の満足にまでは達していただけるのでひとまずは良しとしています。

 

一方、『読み手の側』には、どうしても物足りなさが残ります。

きっとこの辺に双方の欲求の境目の「閾値」があるのでしょうね。

無理矢理に帳尻合わせをして事を収めようとせず活動を輻輳させていこうと思っています。

振れ幅が広いので両方のお話の発芽をそれぞれ大事に育てていこうと思います。

 

耳なじんできたであろう昔ばなしの中から「さるかに合戦」を読みました。

デイサービスでは「あらすじバージョン」でした。大変面白いお話です。

ですから「あらすじバージョン」から離れて「ばぶさん童話流さるかに合戦」を創作中です。

 

カニが丹精して育てた柿の木にたわわに実った柿の実です。

採ろうと木登りを試みるカニです。うまく登れません。

木に登れず難儀しているところにサルがやってきます。

悪戦苦闘のカニを見て 「おいらが代わりにとってやるよ」

きっと最初は親切心で一肌脱ごうとしたのだろうと思い描きます。

 

けれどもサルは『柿の実の食通』だったのでしょうか。

それとも・・・実っていた柿がやたらと食べごろでサルを魅惑したのでしょうか。

柿の実はサルをいざないます。一口食べたらもう病みつきです。

カニの為に柿の実を取ってやる」というそもそもの事の発端などすっかり記憶の彼方です。忘れてしまいます。

サルは、実にうまそうに次から次から食べまくります。

 

どんな心持ちで柿の実を食べていたのでしょうか。

サルの心持を感じ取りたくて行きつけのスーパーで柿を買いました。

元来私は柿を積極的に買い求め食するような食習慣はありませんでした。

そこで1個売りのバラのケースから選び取ります。

そっと触って重さや熟し加減(?)を思い描きます。

何日か買い求めているうちに「種なし柿」「種有柿」とあることに気が付きました。

産地ごとの味の違いだとか堪能する前に今年の旬の時期を逸しました。

来年に向けての楽しみな宿題をゲットしました。

そして3週間ほどたったころ福島の友人から「干し柿は好き?」とメールです。

さらに1週間ほどたって届きました。「あんぽ柿」という品名でした。

干し柿なんて食べたのは何年ぶりのことでしょう。

ところがどっこい食べてみて驚きました。旨いです。美味です。

すっかり「あんぽ柿」のファンになりました。また楽しみが一つ増えました。

農家さんが一つ一つ包丁で皮をむき、天日で干して熟成した天然の恵みです。

かかった手間の全てがうまさに凝縮されているように思いました。

 

カニに分けてやらずに一人で食べまくったサルの気持ち…。

お話の後半で懲らしめられたサルですが私サルに半分同情します。

 

ばぶさん童話流 さるかに合戦 (第6稿)

ばぶさん童話流 さるかに合戦    (第6稿) 

 

 

むかしむかし、柿の種(たね)をひろったサルが、

おいしそうなおにぎりを持ったカニに、ばったりと出会いました。

サルはカニのおにぎりが欲しくなり、カニにこんな事を言いました。

「おにぎりなんて食べてしまえばそれっきり。 あとには何にも残らない。

ところがどっこいこの柿の種。

蒔いてごらんよ。びっくりだ。

毎年おいしい柿の実が食べきれない程どっさり実るよ。

このかきのたね、おにぎりと交換してあげてもいいけど どうだい?」

「わ~、柿の実がどっさりみのるの?嬉しいな ありがとう」

カニは大喜びで家に帰り、さっそく柿の種を蒔きました。

そして、せっせと水をやりながら、

♪早く芽を出せ、柿のたね 早く芽を出せ、柿のたね

出さねばはさみで、ほじくるぞ♪

すると、どうでしょう。

種はほじくられてはこりゃ大変… 慌てて芽を出しました。

その芽はぐんぐん伸びてたちまち大きな柿の木になりました。

♪早く実がなれ、柿の木よ、早く実がなれ、柿の木よ

ならねばはさみで、ちょん切るぞ♪

柿の木はちょん切られては大変だ…と、たくさんの柿の実をどっさりつけました。

「わ~い、これで柿の実が食べられるぞ」

と、カニは柿の実を取ろうと柿の木に登りました。

よいしょ、よいしょ、よいとコラショ…とっとっと ドタ。

うんしょ、うんしょ、うんと こら しょっ・・・しょっしょっしょぉお バタ。

ゼハ、ゼハ、ゼハ・・・。どうしても柿の実がなっている所まで登れません。

「だめだぁ。どうしよう?」

困り果てているところに、サルがやって来ました。

「ありゃりゃんりゃん。 もう柿が実ったのかぁ? こりゃおどろいた。

よしよし、おいらにまかしとき。代わりにとってやろう。」

サルはスルスルと木に登ると・・・、

「これはどうかな?ちょっと味みっと・・・、ふんふん。

悪くはないが今いちかな、こっちはどうだろう?味み、あじみ、まあまあかな」

自分だけ赤い柿の実をなんともうまそうに食べ始めました。

 

「サルさん、わたしにも柿をとって。とって。とっとくれぇ!」

「とってとってとうるさいな。これでもくいな!」

サルはまだ青くて固い柿の実をカニに、ぶっつけました。

「あいたたた。ひどいぞ。痛いじゃないかサルさん、うそつき、ずるいぞ。」 

大けがをしたカニは、泣きながら家に帰りました。 

そしてお見舞いに来た友だちの臼と蜂と栗に、その事を話しました。

話しを聞いたみんなは、憤慨のふんふん。ぷんぷんカンカンで猛烈に怒りました。

「ようし、みんなであのサルをこらしめてやろう」

みんなはさっそくサルの家に行き、こっそりかくれてサルの帰りを待ちました。

 

その日は朝から寒い風がぴゅーぴゅーと吹いていました。

「おお、さむさむ、さむい」

震えながら帰ってきたサルが囲炉裏にあたろうと背中を向けるとそのとたん、

パチーン。

囲炉裏の灰の中にかくれていた栗がはじけて 

サルのお尻にぶつかりました。 

「あちあち あっちぃ、水だ、水」 

お尻を冷やそうと水瓶のところへ 来ると、

水瓶のふちにかくれていた蜂が

チクリ。 と刺しました。

「あいたたたっ、たすけてぇー!」

たまらず外へ  逃げ出すと、屋根の上から大きな臼が

 ドスーン ! と落ちてきました。

「わぁー、ごめんなさーい、もう悪いことはしません。

どうかゆるしてくださーい!」

それから改心したサルは、みんなに柿の実をとってあげました。   

                          おしまい

第31回朗読会ばぶの会を開催します  (告知)

第31回朗読会ばぶの会を開催します  (告知)

 

2020年1月26日(日曜日)  14:00開演~15:45

  • 2019/12/11告知●   会場:和光大学ポプリホール鶴川エクササイズルーム                                 

第31回朗読会ばぶの会 参加費 ¥500※要予約

 

二人の紳士         作・別役実 (15分)   村松美里

朱塗りの三段重       作・江國香織(9分)   庄野博子

口紅(『でもいいの』より)   作・佐野洋子(10分)  楠麻美子

牛をつないだ椿の木     作・新美南吉(33分) 木村博子

猫の事務所           作・宮沢賢治(25分) 曵田宏

ほか

  • ポプリホールのばぶさんポエム 

『あしおとほがらか』 

今朝 かかとが いいました。

あれ?僕の足の裏って こんなに 大きかったんだ。

つま先で、5本指の兄妹が返事します。

そうだや、よろしくね。

この会話の真ん中でつちふまずが声をおさえて

く く く くっ て笑いました。

下駄箱の上でスニーカーが

今日は心もいい天気 さあ、朗読会に出かけよう 

って誘いました。

 

☆次回第32回朗読会ばぶの会2020/3/22(日曜日) リハーサル室

☆☆次次回第33回朗読会ばぶの会2020/5/24(日曜日) リハーサル室

連絡先 080 5052 5354(ひきだ)

『忍者くまで』の威力

『忍者くまで』の威力

 

 

今年のガーデニングの締めくくりのメモ

竹製でできている「熊手」はどなたもご存知でしょう。

それでは農機具売り場に並んでいる品物のうちの一つ『忍者くまで』をご存知の方は少ないのではないでしょうか?

柄の長さ140㎜強 柄の太さ直径24㎜鉄製の爪が5本さながら動物の熊の爪のようでその長さは100㎜くらいです。

11月~12月にかけて来年の花壇づくりに向けてのレイアウトで大胆に手を入れたいスペースがありまして、地下茎の頑固な根っこを除去したくて『忍者くまで』を購入してみました。

値段は何と税別198円でしたが使ってみるとものすごい威力です。

これで198円はかなりお値打ちものの優等生です。

以前から形は目には入っていましたがそれまで商品の名前さえ知らなかったのですが購入してみてその威力にはただただ圧倒されています。

「根こそぎ」とか「根絶やし」という言葉がありますがまさにそれを実現できる道具です。

あらかた生えてきて欲しくない草木の類の根っこを総ざらいできました。

春先に咲く水仙の仲間やスカシユリの球根など大胆に植え込みました。

鼻の種から蒔いたゴデチアや、紫花大根やマツヨイグサの株も整然と移植しました。

友人から分けていただいたアガパンサスも22株順調に育ち一部を植え替えました。 

これまで雑草ぼうぼうの西陽のよく当たるスペースも第5花壇として生まれ変われそうです。

すべては『忍者くまで』による根こそぎ除去で花壇としての下ごしらえの成果です。

来春が楽しみです。

SAS外来受診

SAS外来受診

 

 

 

昨日(12/3)SAS外来の定期検診を受診してきました。

月一回ペースの受診も今回が2回目です。

前回から今回までの日々の睡眠データがCPAP療法で逐一、病院に送信集約されていて、Dr.から総括していろいろアドバイスをいただけるのですからなんとも心強いです。

治療の経過は極めて良好です。

特筆すべきこの間の暮らしの変化といえば「飲酒」の休憩が持続していることです。

禁酒しようとか、酒やめようとか、決意し実行したのではなくて、「飲みたいと思わない暮らし」に変わったことです。いつでも飲めるけれども今はとりあえず飲酒は休憩状態…という心持です。飲むよりCPAP療法でいずれ『快眠』を得られるような暮らしにしたい…という欲求のほうが勝っている日々です。

降圧剤の効果もある事ですが、むしろ、飲酒をやめて朝晩の血圧の測定値がはっきり下がったことが嬉しいです。一昨年脳卒中をした経過がありますのでこの冬を順調に乗り越えたいと若干の緊張感を持っている日々で、血圧の測定値が下がったのは何よりの励みです。

睡眠がこの励みの下支えになっているという実感があります。

 

第30回朗読会ばぶの会 (報告)

第30回朗読会ばぶの会 ~報告~ 

 

11/24、第30回朗読会ばぶの会無事開催できました。

毎年のことですが、11月の会は全体を二部構成にしての開催です。

 

◆第1部◆ 子供のための朗読会  13:30開場 13:45~14:45開演

 

・のはらうたより (作・工藤直子)           森田さつき 9分

・だってだってのおばあさん(作・佐野洋子)      楠麻美子11分

・ソメコとオニ(作・斎藤隆介)             村松美里 10分

・ばぶさん童話より(作・曵田原 宏)          曵田宏12分

 

~~☆~全席入れ替え~☆~~ 

 

◆◆第2部◆◆ 大人のための朗読会  15:00~16:45

 

・きつねのでんわボックス(作・戸田和代)          庄野博子11分 

・陰翳礼讃(いんえいらいさん)より、漆器(作・谷崎潤一郎)  木村博子16分

・啖呵売(作・沢村貞子)                  小脇貞子9分

・転生(作・志賀直哉)                   望月アツコ14分

・なめとこ山の熊(作・宮沢賢治)              曵田宏34分

 

朗読会を終えての感想を少々。 

第30回目を開催でき安堵しています。

曲がりなりにも丸5年やり続け、来年1月の会からは6年目に突入です。

来年を含めて後12年間続けます。その時私は78歳になっています。

30回続けて来るといろいろなことが見えてきました。

会を続けるにあたって枝葉末節のあれこれは生じても肝心要の幹の部分で

「自分は何を大事にしたいのか」や「何はさておきここだけは譲れない」といった

要諦がくっきりとしてきたことは何よりの収穫です。

継続は力なりという言葉は至言だと思います。

 

デイサービスセンターでの「朗読タイム」

デイサービスセンターでの「朗読タイム」

 

 

 

7月中旬を皮切りにだいたい週一回ペースで「朗読タイム」をさせてもらっています。

後期高齢者の方々にどのようなお話が適しているのか1回1回手探りでやってきました。

「民話」「童話」「おとぎ話」「昔話」と思いついたものは何でも試みています。

「下ネタがらみ」の題材なら反応が良いという予測はありましたが

その手のものは敢えて取り上げてきませんでした。  

お話の世界の楽しさを感じ取っていただいて「朗読ファン」を増やしたいと思ったからです。

今週で、回を重ねること11回目となりました。

創作話や新作物よりは「知っている話」「昔聴いたことがあった話」のほうが良いようです。

長い話よりは短い話のほうが良いようです。

短い話の場合あらすじ仕立てのようなものとなります。

あらすじもどきのお話でもあらかたの高齢者にとってはそこそこ満足を得られているようです。

一方お話をたっぷり聞きたいという欲求を持った方もおられます。

回を重ねるごとにお話を聞きとる耳が肥えてきている方も増えつつあります。

どこらあたりが程よいお話なのかだいたい方向性が見えつつあります。

今後の展開がどうなっていくのか楽しみでワクワクしています。